企業共創シチズンサイエンスMeetUp(3/5開催)実施報告
2026年3月5日、福岡大学商学部シチズンサイエンス研究センターおよび総合研究大学院大学の主催により、川崎市のUvance Innovation Studioにて、企業・研究者・市民が集う、シチズンサイエンスの可能性と企業との共創をテーマにした「企業共創シチズンサイエンスMeetUp」を開催しました。会場には多様な参加者が集まり、国内で広がる市民参加型研究の最新動向と、企業がどのように関わり得るのかについて活発な議論が行われました。

シチズンサイエンスとは?日本での広がりと企業による実践例
第1部では、福岡大学商学部シチズンサイエンス研究センターの森田泰暢センター長より、シチズンサイエンスの基礎が紹介されました。シチズンサイエンスとは、市民による研究活動で、時に職業科学者ではない市民が研究者と協力して科学的知見を生み出す取り組みです。鳥類学や天文学から、哲学・民俗学・地理学まで幅広い分野で実践されており、世界的にも急速に広がっています。
日本でも市民参加型研究は増えつつあり、企業や自治体が市民と協働してデータを収集し、社会課題の可視化や研究開発に活かす取り組みが注目されています。澄本からは、学校現場での探究学習とシチズンサイエンスを組み合わせた実践例等が紹介され、教育分野での広がりも示されました。

CoLabFieldの紹介 & バイオーム様・NHK様の講演
CoLabFieldの紹介では、市民・研究者・企業をつなぐ研究広場としての役割を持つ、日本発のシチズンサイエンス特化型プラットフォームの取り組みを説明しました。企業はサポート・パートナーとして研究支援や社会実装に関わり、データやR&Dシーズ、市民との接点やブランディング価値を得ることができる点も紹介されました。
企業事例の紹介講演では、CoLabFieldに掲載されているプロジェクトの一つとして、バイオームの多賀様より「いきものコレクションアプリ Biome」を活用した市民参加型の生物多様性データ収集の取り組みが紹介されました。市民が集めたデータをビッグデータとして研究や保全、さらには事業活動へとつなげていく実践が語られ、企業が市民参加型研究を活かす具体的なモデルとして注目を集めました。
NHKの大石様からは、運営されるシチズンラボで取り組まれている「タヌキ大調査」をはじめとする市民参加型プロジェクトの事例が紹介されました。続いて「ゲンジボタル大調査」を例に、市民から寄せられたデータがどのように番組制作に活かされ、社会へ還元されていったのかが語られました。こうした取り組みを通じて、メディアが市民と研究者のハブとなり、科学を社会に開く新しい役割を担っていることが示されました。
プロジェクトブースでの研究紹介と活発な交流
第2部では、市民参加型プロジェクトによるブース展示を実施しました。参加者は各ブースを巡り、研究者や担当者から直接説明を受けながら、プロジェクトの背景、データの見方、参加方法などを体験しました。


ブースでは、「市民参加の設計」「データ活用の工夫」「企業が関わる意義」「プロジェクト運営資金の調達」などについて多様な視点から議論が生まれました。研究者側も参加者の視点から新たな気づきを得る場となり、まさに“共につくる科学”が体現された時間となりました。こうした対話を通じて、今後さらに多様な主体が連携し、新しい市民参加型研究の形が生まれていくことが期待されます。
