【PJ活動報告】「みんなでミクロクエスト」成果報告会!結果は…
CoLabFieldとNEST LAB.が共同で進めた市民参加型研究プロジェクト「みんなでミクロクエスト(みんクエ)」は、2025年12月6日にオンライン成果報告会を開催しました。
本報告会には、全国から参加したフィールド・パートナー(参加者)と研究者が集まり、サンプル採取から解析、そこから得られた発見までを振り返りながら、プロジェクトを通じた学びや気づきを共有しました。(※プロジェクトについては、以前の記事もあわせてご覧ください)
今回のみんクエは、私たちにとって「参加者と協力して研究を進める」初めての本格的な試みでした。全国各地から集まったサンプルは想像以上に多様で、その一つひとつが研究の視野を大きく広げるきっかけとなりました。解析結果を前に、研究者自身が思わず驚く場面も少なくありませんでした。
報告会では、研究を担当した「すみもん博士」から、実験の原理やデータの読み方、さらには「結果が出ないときにどう考えるか」といった研究の裏側についても丁寧な解説がありました。参加者との対話を通じて理解が深まり、「系統樹を読めるようになった」「もっと詳しく知りたい」といった声が自然と上がるなど、学び合いの場としても充実した時間となりました。

今回の解析で特に大きな成果となったのは、参加者から送られたサンプルのうち、解析できたシアノバクテリアがすべて新種、あるいは新属である可能性が極めて高いことが明らかになった点です。これは当初の想定を大きく上回る結果でした。
さらに、木の表面や建物の外壁、遊具など、私たちの身近な「気生環境」に生息するシアノバクテリアが、南極や砂漠といった極限環境で見つかるものと遺伝的に近いことも分かりました。日常の風景が、実は極めて過酷な環境である可能性を示す、非常に興味深い発見です。こうした多様性と新規性は、全国各地から集まった参加者のサンプルがあったからこそ見えてきたものです。研究者だけでは到達できなかった視点やデータが、協働によって初めて形になりました。
みんクエの成果報告会は、研究者と参加者が対等な立場で知見を共有し、新しい問いを生み出す場となりました。今回得られた経験や学びは、今後のみんクエの発展だけでなく、CoLabFieldが目指す市民参加型研究プラットフォームづくりにも大きく活かされていきます。
「みんなの一歩が、科学を動かす力になる」——その実感を、多くの参加者と共有できた成果報告会となりました。
