【PJ活動報告】「みんなでミクロクエスト」サンプル観察イベント(品評会)を開催!
2025年8月31日、オンラインで「みんなでミクロクエスト(みんクエ)」の参加者が全国から集まり、これまでに採取・培養して送っていただいたサンプルをみんなで観察・共有する「品評会」を開催しました。
品評会では、まずシアノバクテリア研究者(リード・パートナー)であるすみもん博士がリアルタイムで顕微鏡を操作し、サンプルを生ライブで観察しました。緑や赤の微細な細胞の様子や窒素固定を行うシアノバクテリアの特徴的な構造について解説がありました。



また、事前に撮影した顕微鏡写真も活用し、それらをCoLabFieldが開発したCoLabMap上に「みんクエマップ」として掲載。CoLabMapには、これから様々なシチズンサイエンスプロジェクトのデータが同じ地図上に表示されていく予定で、モデルプロジェクトであるみんクエのデータがまず最初に掲載されたことになります。地図上のピンをクリックすると、参加者が採取した場所と対応する顕微鏡写真が並んで表示され、マップ探索をしながら「どこで採取したサンプルに、どんな微生物がいたのか」を紹介していきました。

観察と紹介に加えて、今回のイベントでは「なぜその場所でサンプルを採取したのか?」という動機を参加者一人ひとりに尋ねました。そこからは多彩でユニークな視点が飛び出しました。例えば、「壁にいろんな色がついていて、そこに微生物がいるのではないかと思ったから」「周囲の木などに地衣類が生えており、(採取した場所に)シアノバクテリアがいるかもしれないと考えたから」「猫や牛など、いつも他の生物が出入りする場所にいるシアノバクテリアを探してみたかったから」といった意見が共有されました。同じ“採取”という行為でも、そこに込められた思いや想像力は人によって異なり、多様な視点が研究の広がりにつながることを実感しました。
今後は、参加者の皆さんから送っていただいたサンプルを研究者が解析し、それぞれのサンプルに存在する細胞についてDNAの配列を調べていきます。これにより、顕微鏡での観察だけでは見えなかった微生物の正体をDNAレベルで明らかにし、どのようなシアノバクテリアが含まれているのか、既知のものか新しいタイプなのかを特定していきます。解析の成果は、12月6日に開催するオンライン成果報告会で参加者の皆さんに報告する予定です。