日本生物教育会新潟大会にてポスター発表を行いました

2025年8月9日、新潟で開催された日本生物教育会全国大会において、「中高生と研究者によるシチズンサイエンスの実践知から設計する共創の場」をテーマにポスター発表を行いました。本発表では、株式会社ユーグレナが実施し理化学研究所が解析に協力した市民参加型研究「みんなのミドリムシプロジェクト(みんミドPJ)」を紹介し、みんミドPJ参加者への調査研究から得られた実践知をもとに構想した共創型プラットフォーム「CoLabField(コラフィー)」について紹介しました。

会場では、多くの教員の方のご意見を伺い、探求学習の現場では、限られた時間の中で成果を形にするための「早期フィードバック」が重要であることも共有されました。特に高校生の場合、探求活動は4月にスタートし、12月頃に発表を行うような短いスパンで進められることが多く、観察や解析の結果を迅速に共有できる仕組みづくりが求められることがわかりました。

また、教育現場において「研究者をはじめとする本物の言葉」が求められていることを改めて実感しました。「本物の言葉」とは、研究者が実際に現場で得た知見や、研究の過程で直面した課題、成功や失敗の具体的な経験談などであり、生徒にとっては科学を“教科書の中の知識”から“自分ごと”へと引き寄せる力を持つものです。さらに、活動を支える予算の確保が大きな課題であることも指摘されました。部活動や探求学習にシチズンサイエンスプロジェクトを取り入れるために外部資金の活用、企業や研究機関との連携など、多様な資金調達の仕組みづくりが必要です。

こうした対話を通じて、授業時間内に完結するサンプリング手法や、探求活動を年間計画に組み込みやすくする教材、結果を共有するためのオンラインツールなど、実践的なアイデアも多くいただきました。コラフィーでは、シチズンサイエンスが生徒の主体性や好奇心を引き出すだけでなく、社会とつながる学びを創出する力を持つと考え、探求学習とシチズンサイエンスの可能性を広げる共創の枠組みを、教員の方々と共に作っていきたいと考えています。

日本生物教育会(JABE)について

日本生物教育会(JABE)は、生物教育の振興を目的に昭和21年に創設された全国組織で、47都道府県に支部を持ち、研究討議・研修会の開催や雑誌発行、大学入試センタ―試験・大学入学共通テストの検討などを行っています。毎年8月には全国大会を開催し、2025年の全国大会は、新潟県教材生物研究会を中心に企画・運営されました。

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